寄付のご報告

おはようございます。住職です。

暑い日が続いていますね。

だいぶ時間が空いてしまいましたが、5月10日に福島県庁を訪問し、この一年間にお寄せいただいた「東日本大震災ふくしまこども寄附金」を無事に届けてまいりました。(写真はこども未来局の須藤局長)寄付総額は団体、個人、イベント参加者の浄財などを合わせ152,100円となりました。この寄付は、福島県内で震災により孤児・遺児となられた子どもたちへの援助や、地域の子どもたちのためのさまざまな学習や体験プログラムのために使用されます。

◆県「ふくしまこども寄附金」ホームページはこちら


平成28年3月31日の資料によれば、県内の震災孤児(両親もしくは単親の場合、現に養育していた親が死亡または行方不明となった児童)は24人。震災遺児(両親のうちいずれかが死亡または行方不明となった児童)は175人。月額の給付金や入学卒業の一時金が該当の子どもたちに給付されています。



安洞院では境内の祈りの広場に慰霊塔を建立し、毎年3月11日に東日本大震災の慰霊法要を奉修しておりますが、年に一度だけではなく継続して何かが出来ないかを考えた結果、定期的に開催されるイベント毎に浄財を募金していくこととなりました。ヨガイベントの剰余金、坐禅や写経の参加費、個人や団体からの寄附、小さな積み重ねを無理なく持続していくことを大切にしています。一発の大きな花火を打ち上げるのは簡単なことですが、根気よく何かを継続することは大変なこと。この募金は震災で孤児・遺児となった子どもたちが全員成人するまで、慰霊法要は死者が弔い上げを迎える33回忌まで、持続可能な形で継続していきたいと考えています。



坐禅や写経の会ではその都度趣旨を説明し、フードイベントでは食前の祈りの時間に震災孤児・遺児への寄附の内容を伝え、合掌して食前の祈りの偈文「五観の偈」を唱えます。


亡くなられた方々の命は、誰かによって語られ、思い出されることによって、再びこの世に現れると信じています。そして、寺で何かを楽しんだり、学んだことによって、その浄財が形を変えて他者へと巡っていくのが寺院の場の力、「功徳」(くどく)だと思うのです。無理をせず、肩に力を入れず、皆が笑顔の時間を過ごすことで、皆が幸せになっていく。この理想的な循環の輪を学ばせていただいたのは、過去2回訪問したカンボジアの田舎のお寺での経験でした。



在家の信者さんがお手伝いをしたり、出家していく信者がいたり、その逆に僧侶が俗世に戻り教師となって僧侶の教育をしたり、とにかく人の交流がとても多くフラットであると感じさせられます。

日々の食事は托鉢で賄われ、地域の事業で予算がなければ寺院が勧募を募る(行政は基本的に予算がなくあてにならない)ことによって、僧侶や在家信者のアチャー(祭礼を主宰する司祭。ほとんどが元僧侶で、地域での人望が厚い人々が多い)が地域福祉や教育の根幹を支えています。ここからヒントを頂いて、寺のイベントを通して震災遺児・孤児への支援を始めることになりました。※カンボジアについては書きたいことが山ほどあるので、またの機会に書きます。



小さな活動ですが、長期的に持続できるように肩の力を抜いて続けようと思います。

ご寄付をお寄せいただいた皆様、また、安洞院にて修行の時間や楽しい時間をシェアしていただいた皆様、まことに有難うございました。また一年間、募金を続けていきますので、状況などを追ってお知らせいたします。

※資料とデータは「福島県東日本大震災子ども支援基金・事業報告書」より転載しています。


住職 合掌

antouin's Ownd

福島県福島市の曹洞宗寺院・安洞院のオウンドメディアです。ブログ記事とソーシャルメディアの投稿を中心に、お寺の各種法要やイベント告知・報告をアップしていきます。寺院の歴史沿革や詳細については公式サイト(http://antouin.com)を御覧ください。

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