「火葬は葬儀の後で良いですよね?」
福島市でもそんな言葉がよく聞こえるようになりました。
実際に葬儀の際に火葬を予約しようとすると午後1時〜3時の火葬から予約が塞がり、最後に空いているのは午前9時や10時。コロナ前から葬祭関係の仕事をしていれば、順序が逆転していると感じる人ばかりだと思います。
はっきりと感じているのは、コロナ禍を境に変わってしまったことです。以前は火葬は午前に行い、火葬場から戻って本葬や精進上げ(会食)、納骨まで済ませてしまうというものが主流でした。それがコロナ禍以降、時短や少人数の家族葬を主な理由として、先に葬儀を行って出棺し火葬場に向かうというものが主流になりました。
火葬を葬儀前に行うか後に行うかは地域の慣習によるものが多く、首都圏などでは葬儀後に火葬に付すのが以前から主流でした。当地、福島市などではその逆で、朝に出棺のおつとめを行い、火葬場から戻って葬儀を行う方が圧倒的に多いという印象でした。
それが、コロナという社会現象を機に変わってしまったと感じています。
(写真:葬儀の後に納骨用の花を準備するの図)
まあ、順序が変わってしまっただけでしょ。というご意見ももっともだと思います。ただ、式を執行する側から感じることは、もっと深いところにあります。
①時間とコストの観点
これはもう、圧倒的に葬儀→火葬の流れの方が時間のうえでもコストの上でも少なくて済むと思います。正直なところ、私たち寺院の側も先に火葬をするよりも、葬儀後に火葬をした方が時間のうえでは半分以下で済むわけです。施主、業者、式司者、みなそれぞれのメリットが多いゆえにこのような形が福島市近郊でも増えたのでしょう。
②死生観や参列者の姿勢
この点に関しては、火葬の順序による影響は大きく変わります。
火葬というのは、死別悲嘆の度合いが大きく、また、関係が近ければ近いほど、精神的なショックも関係性に呼応して大きくなります。あまりの辛さに過呼吸で倒れてしまう方も多数見てきました。愛する人の姿を送るということは、覚悟をしていても想像以上に大変なことです。
A)先に火葬をするという選択
葬儀の前に火葬するという選択は、はじめに大きな壁を越えるような時間があります。そして、火葬後に収骨を行い、葬儀の会場へと向かいます。ここで大切なのは、肉体との別れという一つの大きな壁を越えてその意義を体感したうえで、遺骨の状態で葬儀を営むということです。
感情的な大きな波を越えた後の儀式は、個々がそれぞれに死というものを受け入れたうえで行う、精神的な心でのお別れという儀式です。親族が多く、参列者から弔辞やお別れの言葉を多数いただける場合にはこちらの方が良い場合が多いと感じます。
B)葬儀後に火葬をするという選択
いっぽう、葬儀の後に火葬へ向かうという選択は、葬儀が精神的なお別れであると同時に、さらに故人様の身体との生々しいお別れを意味するという儀式の側面が強くなります。葬儀自体もそこに身体があるのと無いのでは大きな違いが生じ、お別れのクライマックスが心身同時にやってくるという印象があります。
社会的な葬儀よりも個々の関係性が重要視される家族葬などの場合は、体面を気にすることなくゆっくり静かに声をかけながら、時には思い切り泣きながらお別れができるというひとつのメリットもあります。参列者が限定され、ごく少人数の場合には、こちらの方が良い場合が多いと感じます。
③住職として思うこと
住職としてこのように火葬の順序に関して思うことは、一人一人、葬儀には違った意味合いがあるため個別に判断しなければいけない。ということです。
以前は慣習によって葬儀と火葬の順序は決まっていたものですが、コロナ禍以降の福島近郊の葬儀は世の中の流れによって合理的に「(葬儀の)後火葬」が主流になってしまいました。しかしながら一人の人間の死というのは、亡くなる年齢や住んでいる場所や、喪主の職業や生活拠点によって、葬儀の意味合いが大きく異なってきます。
当院では、この点についてはしっかりとご遺族の事情や寺院のスケジュールを熟慮したうえで、当日の納骨も含め、火葬の順序についてのアドバイスをさせていただいております。
家族葬、一日葬、火葬のみの直葬など、さまざまな葬儀のあり方が議論される世の中ですが、火葬の順序もまた、葬儀の意味合いやご親族の死別悲嘆の度合いなどにより、勘案すべき重要なテーマの一つであります。
時代がそうだからとか、周りがみなそうだからではなく。
一人一人の人生の重みやご遺族のあり方を踏まえて、「あなたの場合はそう思います」というご提案をさせていただきます。
当院では事前の相談にも可能な限り応じておりますので、ご不安なことなどがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
住職
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(2/15おまけ)
本日2月15日は、地域の古くからの檀家の方のご葬儀が行われました。朝一番の火葬からの葬儀でしたが、おだやかな暖かい日差しの中、和やかなお見送りとなりました。そして記念の寺ガチャ。
当院では、法要に参列された高校生以下のお子様には、本堂のノベルティの寺ガチャを体験していただいております。本日の本堂での葬儀でも、最後までがんばってくれた二人のお子様にチャレンジしていただきました😆
そろそろ寺ガチャも中身をリニューアルする予定です。
ご期待ください!🙏🙏🙏
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