わからないことをわかっていないと、わからないことはわかりません。

梅が薫る3月、最初の水月庵の坐禅でした。

「わからないことをわかっていないと、わからないことはわかりません」

ドラマ『テミスの不確かな法廷』の主役の松山ケンイチ演じる安堂裁判官の名セリフです。私も移動時間やジムでよく観ていますが、とても面白いドラマですね。

何となく自分はこうであるとか、こうではないとか、いつの間にか分からないはずのものをわかっているような気分になってしまうことがあります。

何かを聞けばすぐにAIの解答がそれらしいものを示してくれて、知っているということが分かっているという状態だと錯覚してしまう。それはただ知っているだけであって、分かっていることにはならないし、わからないこともわかっていない。

言葉遊びではなく、現代においてしっかりと地に足をつけて生きるうえで、とても大切な点だと思います。


坐禅では「不思量底を思量する」(考えないことを考える)「非思量」(考えるでも、考えないでもない)という表現を用います。このようなところに向き合い、壁に向かって坐り、いったんすべてを休んで投げ捨ててみる、という時間は実に貴重です。

土日はめまいがするほど忙しいのですが、今月も志を共にする皆さんのおかげで一緒に坐り修行することができました。


ところで、以前の記事で書いた本堂の屏風「梅月之図」の前の室中のエリアを、少しだけ模様替えしました。素晴らしい日本の技術の粋が生きる、山形は天童木工の座卓とバタフライスツールを置いてみました。


法事では遺影や位牌を並べたりしまったりする場所。膝が痛くて正座ができない方にも、ご活用いただいております。

梅の咲く3月の期間はこちらの展示をしております。平日は比較的ゆっくりとしておりますので、のんびりと椅子に腰掛けて梅と月の世界に没入してみてはいかがでしょうか。

今月も皆様のご来寺をお待ちしております。

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