毎月11日。東日本大震災の月命日です。
安洞院境内には平成27年に建立された高さ4.8メートルの震災慰霊塔があります。霊園には故郷を離れてお墓を移された方や、福島市に避難中に家族が亡くなり福島にお墓を建立されることになった方など、震災を機にご縁が始まった方々も多数お参りに来られています。
今日は静かに雨が降る日。雨の中、お線香を手向ける方々の姿も見られました。
毎月お参りに来られ、手を合わせている方と立ち話になることもよくあります。大切な家族や友人を震災で失った方、故郷に戻れぬまま避難先で亡くなっていった方、直接の被害は無くとも震災により人生が変わってしまったカウントされない震災関連死を迎えた方。10年経ってもまだ時間が止まった方がたくさん居られます。
安洞院では、毎年「3.11祈りの日」という催しを開いてきました。この2年はコロナ禍で開催が出来ておりませんが、毎年公募している「祈りの手紙」というプロジェクトは毎年継続しており今年で5年目を迎えました。安洞院の檀家でもある詩人の和合亮一さんが撰者となり、俳優の紺野美沙子さんが朗読を担当されています。
(↑2021年の手紙の応募作品をご覧いただけます)
月命日。住職である私は、慰霊塔にお参りし、人々と話し、祈り、時間があれば過去に応募された祈りの手紙を見ています。震災が私たちにとって何をもたらし、私たちが当時何を感じていたのかを思い出すために。
ぼんやりとモニタを眺めていると、1通の手紙が、胸に深く突き刺さりました。受賞作ではありませんが、まっすぐな思いが肉筆に込められた力とともに伝わってきました。
「目に見える美しさより目に見えぬ物を選びなさい」
合掌
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