9月9日(日)、寺ヨガの特別企画として福井県福井市にヨガスタジオ・チャンドラを主宰されるヨーガインストラクターの齊藤素子先生を招いての一日ヨガリトリートが開催されました。素子先生は現役の医師でもあり、臨床の現場に呼吸法やヨーガ療法を導入され、医療関係者向けの講座も多く開催されている稀有な方です。
今回は安洞院でも長くお世話になっている菊地英子さんからのご紹介により、いわき市の開催にあわせ、福島市での開催が実現いたしました。
講座は朝9時の坐禅と読経のオープニングセッションから始まり、午前はハタヨガのクラス、お弁当を食べた後にヨガセラピーの座学と実践のクラス、そして最後は呼吸法のクラスでした。申込が多数となり、全クラス満員となりました。
キャンセル待ちになってしまった方、本当にすみません!
坐禅のクラスの様子。曹洞宗の坐禅は面壁坐禅。ひたすら壁に向かって坐り続けます。
が、ここ会場の水月庵はご覧の通り前面に庭園が広がり、風の音や鳥の声に包まれた空間です。都心のスタジオにはない、本当にありがたい環境。当日は静かな雨が振り、ぽたぽたと落ちる雨のしずくの音が庵に響いていました。
午前中のハタヨガのクラスの様子。
半数が初心者の受講でした。ベテランから初心者までオールレベル対応の進行はとてもわかりやすく、長く続けて来られた方からも新たな発見がありましたとの嬉しい感想もいただきました。
ランチはいつもお世話になっている福島市笹谷の「はみべん」のお弁当。
玄米野菜弁当を車座でいただきます。昔のお堂の座談会のようですね。
先生を囲んで談笑しながら一問一答形式で質疑が繰り広げられました。時には仏教的な立場からのアプローチやヨガと仏教の考え方の違いを比較したりと、とても濃密なランチとなりました。少人数クラスならではですね。
座学の時間は伝統的なヨーガ哲学の内容や、理論の解説。
とても分かりやすく、みな遅れまいとメモを取られていました。
続いては実践のクラスから呼吸法のクラスへ。
住職として印象に残ったのは、目的と手段の話。
曰く「ヨガマットの上でポーズを取るのが目的ではない。ヨガマットに乗っていない時間を豊かに過ごすために、つまり、生活すべてがヨガの心に集約されていくためにマットの上で過ごす時間がある」ということ。
これは、私たちも全く一緒。生活のすべてが禅であり、坐禅を行じている時間だけが坐禅ではなく、生活全てが禅であるという、曹洞宗の修行観とまったく同じ考え方です。坐り続けることで、食事も歩くことも掃除もすべてが一挙手一投足禅の心に集約されていく。修行とさとり、目的と手段は一つでなければなりません。
こういった意見の交換やそれぞれの立ち位置の確認ができることは、本当に住職冥利に尽きます。
呼吸法もいくつかの代表的なものを後方で体験させていただきましたが、医学的な臨床の知見やエビデンスに裏付けられた説明はとても説得力があり、自分自身の心身を客観的に見つめ直すのには最適でした。
午前、午後、または一日終日ご参加いただいた皆さま、本当に素晴らしい時間をありがとうございました。
初心者の方から寄せられた質問も、とても良い学習の機会になったと思います。
不安感やメンタルの問題、自律神経って何?、更年期障害とセルフケア、ひとつひとつに丁寧に答えてくださる先生の姿勢に深い慈悲と人間性があらわれているようでした。
素晴らしい機会をくださった素子先生、ご参加の皆さま、本当にありがとうございます。
ゲストを招いた少人数クラスはまた企画したいと思います。
齊藤素子先生は全国各地でワークショップや講演をされているので、ご興味のある方はぜひサイトをチェックしてみてください!
▼ヨーガスタジオ・チャンドラ
http://yogatherapy-chandra.jp/
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※今回の坐禅と法話の浄財は6,895円でした。この浄財は全額、東京マラソン財団を通じて難病や小児がんの子供達のキャンプ施設、北海道滝川市の「そらぷちキッズキャンプ」に寄付させていただきます。住職が2019年の同団体を支援するチャリティランナーで出走します。2019年3月31日までクラウドファンディングで寄付を募っています。
こちらもご支援、ご声援、よろしくお願いいたします!
▼そらぷちキッズキャンプ
http://www.solaputi.jp/index.html
▼東京マラソン2019・住職のチャリティシート
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