本堂照明リノベーション工事③〜仏像を照らす〜

本堂の照明リノベーション工事で最も難しいのが、本堂の中心であるご本尊様周辺のエリアです。これまでは蛍光灯だけで明るくなっていた場所ですが、ここにも手を入れていくことになりました。

ここ最近、美術館や博物館に行くと照明ばかり見てしまいます。どんな器具によって、どんな光が生まれるのか。その距離や質感、照明の明るさや数など、プロの手によって生まれた明かりというのは対象の素晴らしさを幾重にも向上させる力があると感じています。

















現在の計画では、ご本尊様の鎮座する須弥壇(しゅみだん)上部のスペースの中に、縦にライティングレールのダクトを入れて、スポット照明で仏像を左右から照らすことを考えています。できる限り光を回し、仏像が浮かび上がるような照明が理想です。



ちなみにこれは、カンボジアの寺院のご本尊様です。画像のためわかりにくいかもしれませんが、ご本尊様の後ろにはかなり派手に輝く照明が仕込まれており、これが仏様の後光を表現しているのだそうです。

日本ではここまでダイレクトな仏様の後光はなかなか目にしませんが、私も同じような願いをもってご本尊様の光をいかに美しく照らすことができるのかを考えているのかもしれません。


この週末には、このエリアの調光作業も始まります。全体の明るさの中で、どのようにバランスをとって調和と美しさを表現するのか、現場での打ち合わせは続きます。

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