「この絵は誰が書いたのですか?」
と稀に聞かれることがあります。
普門院水月庵の阿弥陀様の右側に架けられている絵には、緑青の色が美しい梅の古木と一羽の鳥が描かれています。もとは白い紙だったのでしょう。経年で日焼けや線香の煙によって色もだいぶ深くなっています。
右上の讃の部分には、「昭和十二年九月多宝塔彩色為記念」とあります。福島県の重要文化財である多宝塔の彩色修繕を施した職人(絵師)が残していったものだといわれています。当時の頃は、作業のために長い間泊めてもらった御礼に絵を納めるという風習もありました。いわゆる現物払いですが、そのおかげで後世に生きる私たちもまた、そのロマンに触れることができます。
素朴な風合いの中にも緑青の色の美しさが自然に広がり、日本の色の美を感じさせてくれます。
この絵が描かれた昭和12年には、普門院境内でも大きな出来事がありました。この絵が奉納された2ヶ月後の11月には、正岡子規の句碑が建立されています。明治26年(1893)7月25日、正岡子規がこの地を訪れて句を詠んでいます。
「涼しさの 昔を語れ しのぶ摺」
境内の句碑には正岡子規の真筆をもとに、句が刻まれています。
そんな歴史浪漫あふれる水月庵は、繁忙期を除き、団体やサークルに場所をお貸ししています。先日も3名の参加者を迎え、広々と会場を使ってのお寺ヨガのコースが行われていました
ついつい美しい景色や床もみじの方に目がいってしまいますが、今度ご来寺の際はぜひ反対側の仏様や梅の古木の絵もごゆっくりご覧ください。
またのご来寺をお待ち申し上げます。
※お寺ヨガ坐禅ありは3/7(土)午後2時〜
※お寺ヨガ坐禅なしは3/18(水)午後2時〜
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