今年は冷たい雨の日が続くお盆となりました。福島市は幸いに降水量もそこまで多くなく境内の被害は出ませんでしたが、日本各地に豪雨の被害がこれ以上拡大しないことを祈るばかりです。被害に遭われた皆様におかれましては心よりお見舞い申し上げます。
コロナ禍2回目のお盆、昨年同様に法要は無参列にて行い、本堂前にて参拝者全員がご焼香の後に代表者1名が塔婆を受け取る形式となりました。期間も早めに開始し、分散参拝形式にご協力いただき、期間中の集中した混雑を避けることができました。ご協力いただきました檀信徒の皆様には心より感謝申し上げます。
一箇所に長く滞在しないドライブスルー、受け取りのみを行うテイクアウト、コロナ禍のさまざまなサービスを参考にさせていただいたものです。
8月13日の14時には新盆供養、14日の14時には塔婆供養申込者全員のお名前とご戒名を、無参列者法要にて住職が本堂で読み上げさせていただきました。生きている檀信徒のみなさまの日々の安寧と無事、コロナ収束、豪雨災害の犠牲者、戦没者の御霊、すべての命へのご供養を行いました。
雨の日は子供たちの雨具がとてもカラフルで可愛かった!
住職としては今年のベスト雨具キッズは仲の良いきょうだいの2人のレインボーカラーポンチョ。耳もついているんです。
会場の設営と期間中の運営は、昨年同様たまのやの皆様にお世話になりました。細やかな対応、動線を考えた会場設計、強風や雨対策など、愛のある素晴らしい運営でした。山内に暮らしていると気がつかない点が多いものです。担当の菅野雄太さんはじめスタッフの皆様には大変お世話になりました。
高校生までのお子様には、今年も恒例の子供花火セットが配布されました。送り火と一緒に、花火を囲んで家族とのおうち時間の思い出にしていただければ幸いです。
今年は塔婆の本数総計で490本。過去最多のお申し込みをいただきました。コロナ禍のため遠方からの墓参代行の依頼は関東を中心に50件、こちらも過去最多でした。このような厳しい時代だからこそ、手を合わせ祈りを捧げる空間というのは本当に貴重なものだと思います。今年も残念ながら法要は行うことが出来ませんでしたが、あるお参りの方の言葉がとても印象に残りました。
「今まで体が不自由で長時間の法要に出られないから、こういう機会を作ってもらえて初めてお盆にゆっくり手を合わせることができました」
酸素吸入の機械を携行していたり、人工肛門を装着していたり、病気や障がいにより長時間の密集した環境での法要に参列出来ない方からも同様のご意見がありました。
寺院としては法要でお迎えするのが檀信徒への最上の礼儀と思っていたのですが、参列出来ない人の立場になってみれば、コロナ禍のドライブスルー&テイクアウト形式の方が有難い場合もあるということに気付かされました。アフターコロナの法要とは、こういった対応も並行して行っていく必要があると思います。コロナ前の昔に単純に戻るのではなく、コロナ禍の気付きをもとに新しいものを作り上げていかなければなりません。そのための試練が今なのでしょう。
お盆3日目、最後の夜。
御先祖様や亡き人たちにはお盆期間の最後の夜。明日、お見送りの時間がやってきます。
お寺の静かな夜、コロナのせいで出来ないことを嘆くよりも、どうやって新しく幸せな未来を作り上げていくかを考えています。
合掌
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