1月31日〜2月1日の二日間、安洞院では久しぶりとなる精進料理のイベントが開催されました。今回のコンセプトは、ハワイアンテイストの精進料理。ハワイには明治以降たくさんの日本人が移住し、日系人のコミュニティを中心に日本の文化を伝えてきました。現地の人々の求めによって建てられたのは日本の仏教寺院や神社。私たちの先祖はハワイに墓を作り、先祖を祀り、信仰と文化を継承するために今もハワイにはたくさんのお寺があります。
各地の寺や婦人会の方々などによって、日本と同じように精進料理の文化が次世代に受け継がれ、現地の調味料や素材を用いたハイブリッドな精進料理が生まれていきました。
料理人としてお迎えしたのは、北カリフォルニア在住のモラー直子さん(写真左)。ハワイのお寺で生まれ育ち、故郷新潟のお寺で英語教育に携わりながら、お寺の伝統的な精進料理を学ばれました。現在は北カリフォルニアで弁護士のご主人とともにオフグリッド生活(再生エネルギーを用いて電力に頼らない暮らし)を送られています。今回はハワイアンソルトやココナッツオイルなど、ハワイアンテイストが盛り込まれた精進料理を振舞ってくださいました。道の駅国見にて記念撮影。曰く「野菜が安い!!」
▼直子さんの主宰するOne Plate Zen のサイトはこちら
ハワイ島在住の友人、みねこさん(上の写真右)とひろみさんの2名も助っ人として福島へ。産直やローカルなお店を巡りながら、ふくしまの味覚を楽しみました。福島の直前には京都のお寺でもワークショップを開催されています。
日本各地にこんな素晴らしい機会が増えていくといいですね。
福島の美味しいお蕎麦を食べつつ。
イベント初日の31日は週末夜の開催。おかげさまで満員となりました。遠くは東京方面から、県外からもたくさんのお客様が来られました。心配していた雪はゼロ。
最初のプログラムは直子さんによる『ハワイ島のボンダンス』という絵本の読み聞かせ。人数が多いのでスクリーンに絵本を映して進行します。日本人の移住の歴史やお寺の行事などについて学びを深めていきます。
続いてのプログラムは、直子さんを紹介してくださった写真家の岩根愛さんの映像とトーク。愛さんがハワイとの往来を繰り返すご縁から生まれた映画『盆唄』では、福島からの移住者が伝えた相馬盆唄をテーマとした内容が描かれています。貴重な映像をもとに、マウイ島の盆ダンスやお寺についてのトークをいただきました。現地の盆踊りは日本の1.5倍ぐらいの速度。懐かしい旋律ながら、アップテンポな曲調に驚きます。
▼岩根愛さんのサイト
▼映画『盆唄』のサイト
http://www.bitters.co.jp/bon-uta/
続いては、今回の食事で使う器を提供してくださった「漆とロック株式会社」代表の貝沼航さんの漆の話。福島県の会津地方の伝統工芸品である会津漆器ですが、貝沼さんのプロジェクトでは「めぐる」というブランドを立ち上げて日本各地さまざまな場所でワークショップを開催されています。
▼漆とロック
▼めぐる
今回は「めぐる」の受注会も兼ねて行いました。十月十日(とつきとおか)の時間をかけて作られていく過程も楽しむことができるという、長い時間待ち続ける漆器。待てば待つほどに到着が愛おしい時間となるでしょう。
ひとつひとつの所作を大切に、いただいていきます。
この三つ組の器は、曹洞宗の修行僧が用いる「応量器」(おうりょうき)の形状にインスパイアされてデザインされています。口や手に自然に馴染む、やさしさが伝わってきます。
今回のおしながきと、お料理です。福島の旬の野菜を用いて、会津漆器に盛り付ける。遥か西方より伝えられた仏教文化が日本から海を超えてハワイへ渡り、再び日本のお寺へハワイの風をまとって凱旋帰国するという壮大な旅。ハワイと福島、世界の仏教を学ぶ素晴らしい機会となりました。
(写真・スタッフの山田幸子さんより)
初日で完売してしまった、今回の記念ノベルティどら焼き。福島の名店、丹坊さんのどや焼きを使わせていただきました。(二日目に楽しみにしていた方、ごめんなさい!!)
一晩明けた翌日2月1日は、集中寺ヨガクラスと精進料理ランチの会に続きます。
(つづく)
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