1/31(金)の精進料理ディナーから一夜明けた2/1(土)、二日目は朝のお勤めと坐禅から始まり、寺ヨガ集中クラス120分からの精進料理ランチの会となりました。ヨガは参加せず、食事だけの参加も可能として、老若男女たくさんの方々にご参加いただきました。
朝から午前中にかけての坐禅とヨガのプログラムには、安洞院から離れた場所にある文知摺観音・普門院の美術資料館ギャラリー「傳光閣」(でんこうかく)が会場になりました。地元の郷土資料のほか、地元ゆかりの作家の常設展、ゲストによる企画展などを開催している場所です。
申し込みが満員となり、さらに希望者も続くことから、いつもの会場から離れてギャラリースペースでのヨガクラスを開催することになりました。大きな南側の窓からは歴史と風格の杉木立ちと県の重要文化財である多宝塔が天に向かって伸びています。ここに立つだけですっと背筋が伸びるのは、その景観のおかげでしょう。
まずは朝の読経と坐禅の時間から。
奇しくも当日は地元福島の画家・米倉兊(よねくらとおる)画伯の日本画が展示されていました。一点一点の作品の静かな構図、見るものの想像をかきたてる余白、何もないという絶対的な存在感や安心感についての心を、坐禅の在り方と重ねてお話いたしました。何もしないことをするという贅沢。自分探しではなく、自分無くし。とても有難い時間を共に坐ることができました。
ヨガクラスは、瀬上町でスタジオ「Yogatoco」を開かれている深谷恵先生によるものでした。市内のスポーツクラブや行政のクラスも担当されており、細やかな指導をしてくださいます。現在、安洞院の寺ヨガでは月に2回、クラスを開講しています。
▼Yogatoco
https://yogatoco.jimdosite.com/
その頃お寺の厨房では、ランチの仕込みが始まっていました。
モラー直子さんのアシスタントを務めるハワイ島在住のみねこさん、ひろみさんのお二人。スタッフも交えて楽しい話に花が咲きつつ、ココナッツオイルの香りが漂っていました。
ランチを前に、まずはドライフルーツと薬膳茶を味わいながら、直子さんからの精進料理のトーク。西洋料理と精進料理の違い、仏教と食の歴史などについて。
前日に続いて、漆とロック代表の貝沼さんのトークを交えて、会津漆器「めぐる」を用いて食事をいただきます。住職による食前のお唱えの言葉「五観の偈」を一同唱和して、一同に、静かにいただきました。
おいしい。
何かをしながら他のことをする。音楽を聴きながら、家事をしながら、仕事を、育児をしながら。時短、効率化、技術の進歩、それらの現代的価値の代償として、私たちは何かひとつの物に真剣に向き合うというものを手放していきました。禅の生活とは、その対局にあるもの。
「茶に会うては茶を喫し、飯に会うては飯を喫す。」
これは曹洞宗大本山總持寺を開かれた瑩山禅師の言葉です。
ただ今なすべきことに真剣に向き合うというあたりまえのこと。あたりまえであるがゆえに見えなくなってしまうこと。おそらく会場の皆様が味わった食事の最高の調味料とは、こうした気づきにあったのではないでしょうか。
多くの皆様のご協力により、この会が実現できました。
モラー直子さん、ありがとうございます。また、福島にいらしてください!
合掌
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