7月はだいぶ日差しも強くなりました。連日の猛暑の中、納骨も多数行われましたが、日傘が無くては耐えられない程の暑さでした。しかしながらお勤めをする側としては傘で手が一本塞がってしまうと中々不便なもの。そんな時に上の画像の網代笠(あじろがさ)は重宝します。涼しく風が抜けて日除けになる他、雨が降れば繊維が湿って膨張して傘の役目も果たしてくれます。先人の知恵はすごいですね。
さて、今回は墓じまいと永代供養墓の話です。当院では27年前から芝生に個別埋葬する自然葬永代供養墓を運営してきましたが、何度も以下のようなご要望が寄せられました。
「墓じまいはいずれする予定なんだけど、親戚が来てくれる間はお墓を残してほしい」
「せっかく自分が建てたお墓なので、一度そのお墓に納骨してもらってから永代供養墓へ改葬してほしい」
最初から永代供養墓を申込むのではなく、既存の墓地からの改葬の場合、どのタイミングで改葬するのかという問題が生じます。親族の希望だったり、本人の意向だったりと複雑な問題も多く、無理矢理改葬を進めてしまいトラブルになったというケースもありました。
今回のケースでは、後継者の居ないご夫婦からのご相談でした。「私が埋葬されてから3回忌の日をもって墓じまいをしてほしい。せっかく建てたお墓でずっとお参りを続けて来た場所だから、すぐに壊してしまうのは勿体ない」というご要望を、生前に承りました。
具体的には、以下のような流れとなりました。
①永代供養墓を契約し、場所を確保する
②墓地の解体費用の見積を出し、葬儀費用、骨上げや納骨手数料などの諸経費も合わせて当院の基金に預ける
③親族(本ケースでは兄弟)にも希望を伝え、本人、親族、寺院の三者で念書や契約書を交わし記録に残す
④申込人が死亡し、親族と共に葬儀執行。既存の墓地へ納骨
⑤指定の期日である3回忌に改葬と納骨を行う(親族遠方のため当院がすべて代行)
骨を取り出して専用の袋に入れ、そのまま永代供養墓地「祈りの丘」にて納骨を行いました。改葬〜納骨は30分もあれば行う事ができます。
終了後、親族には写真を添えて報告の文書を送り、工事の契約書と領収書、費用明細も同封いたしました。墓じまいの費用は構築物の多さにもよりますが、今回の6㎡墓地では28万円ほどで更地に戻すことができました。
いつ墓じまいをすべきか?
この問題はケースバイケースで、家族の意向や親族との関係など、さまざまな要因が関係してきます。
お寺の基金にお金を預ける、文書にして複数の親族で意思確認と情報を共有する、或いは後見人制度を活用するなど、置かれた状況に応じて専門家の意見も踏まえ、当院では個別のご相談に応じております。
もし何かお悩みの事があれば、お気軽にご相談ください。
2年前の最期の顔を思い出しながら、遺言の執行を果たす事ができました。安らかにお眠りください。
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