11月4日(日)、毎年恒例の大法要である大般若会(だいはんにゃえ)が安洞院本堂にて奉修されました。
住職法話の後に行われるのは、大般若経をお坊さんと一緒に体験するワークショップ形式の「子ども大般若」。幼稚園児から中学生までのお子様約20名が参加しました。
はじめは恐る恐る扱うも、いつのまにか上手に出来るようになり、最後は全員で合わせてお勤めをしました。
その後の法要では本物のご祈祷の迫力に触れ、目を丸くして食い入るように参加する子どもたち。小さな頃から原体験を持つことはとても大切ですね。
本山修行時代の同期会などでも度々話題になりますが、寺院の法要参加人数は全国的に減少しているといいます。たくさん人を集める為に誰を呼ぶかというゲストについての議論がなされる一方、なぜ人が集まらないのかという原因は置き去りにされがちです。
法要の力は偉大です。
エネルギーと喜び、祈りと願いに満ちた無限の可能性を秘めています。その法要の魅力の核心に触れ、どうすれば多くの方々が足を運んでくださるのか。それを何年も追及してきたひとつの答えが、子ども大般若でした。
法要では、大般若経による参拝者の幸福を祈願し、引き続き歳末合同供養が行われ全員一同に先祖代々、死者の冥福を祈りました。
大人だけでなく子どもたちも集まり、家族全員で何かに祈るという時間はとても貴重なものです。
法要終了後には、新規檀家の皆様を歓迎する入檀式が執り行なわれました。総代より歓迎の言葉が述べられ、入檀記念品が授与されます。
浄財の一部は、福島市土船の児童養護施設青葉学園に寄付いたしました。今年で10年目となります。
福島交通のバスチケットは、児童養護施設のような社会福祉法人では特例により額面の2倍の価値の金券として利用することができます。
福島市土船は吾妻山の麓に位置する福島市西部の地区、冬には吾妻山から雪と共に吹き荒ぶ「吾妻おろし」と呼ばれる風が吹く、とても厳しい環境です。
子どもたちがバスで通うための浄財としての寄付は、さまざまな事情があり自宅で暮らす事が出来ない子どもたちのために、先代住職の頃より当院で長く続けてきたものです。
誰かの幸せや故人の供養をする心が、巡り行く力となって現世の人々に循環していく。そのエネルギーの触媒のような存在が、寺院であると思うのです。
今年も多数のお参り、ありがとうございました。また来年もお待ちしております。
住職
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